FG Premium Report 10月5日号(想定外のことが起きてこそ、市場は動く)

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もし常に予想通りであれば市場価格は均衡して動かなくなる

確かに先週の東証システムダウンに続く、米国トランプ大統領のCOVID-19陽性反応の報は想定外ではあった。ただ勘違いをしてを行けないのは、想定内のことしか起きなければ、市場価格は常に全てを織り込んで均衡し、そして動かなくなる。賢者は過去に似た事例を探しに行くが、残念ながら同じ事象、同じ市場環境、同じ出来事、そんなものは過去にあろう筈が無い。我々は常に想定外の新しい出来事に直面し、それをどう読み解き、どう今後の投資判断に反映させるかを考えなくてはならない。その考え方が1人1人違うからこそ、買いが入り、売りがあり、値段がついて市場は動く。

したり顔の「〇年前の〇〇〇の時には市場はこう反応したので、今回も似た状況だから、△△△△△となるでしょう」などと言う解説には1ミリの価値もない。寧ろそう思う人が多い分、その反対に市場は天邪鬼に動くものだ。

日米各株式市場の先週の終値と週間騰落率

 

それにしても富士通はこの先も大丈夫か?また株式会社日本取引所の責任をなぜ誰も追求しない?馴れ合いか?

10月1日、日本の株式市場は全てクローズのまま一日を終えた。当初システムの不具合を聞いた時、私は間違いなくサイバー攻撃を受けたのだと思った。取引停止が丸一日に及ぶと聞いた段階で、それは確信へと変わった。それは今がそれだけサイバーセキュリティが問われているからだけではない。取引所の全システムが終日稼働しないなどと言うことは、少なくとも先進国の仲間だと思っている国においてはあってはならないこと、否、現代の技術水準からすれば起こり得ないことだからだ。

どんなに高速取引に対応することが表面的には出来るようになったとしても、丸一日稼働しないことがある市場と言うレッテルが一度貼られたら、その信用失墜を取り返すのは容易なことではない。そんな単純な事を多くの人がまだ気がついていないとしか見えない。はっきり断言しておくが、日本人が考えるほどに外国人は既に日本市場をそんなに重要な市場だとは考えていない。その一番の証左が、日本にアジア・極東エリアのヘッドオフィスを構える外資系投資銀行はひとつもないことだ。すべて香港かシンガポールだ。

取引所のシステムが丸一日停止した状態が続くというのは、首都高速の環状線を走っているクルマのブレーキシステムが一斉に故障して多重衝突事故が起きるのと同じぐらいの確率であってはならないことだ。逆に言えば、本来その位のフェールセーフ機能は搭載していて当然にもかかわらず、富士通開発のシステムはフェールセーフ機能としてのバックアップへのリレーが出来なかったというのだから、お粗末という次元を遥か通り越して開いた口が塞がらない。だが、その責任をメディアも野党も厳しく糾弾したりしないのはなぜか?それは、彼らも恐らく事の重大さを分かっていないのだ。より増々日本の金融市場としての優先順位は下がるのみだ。

逆に某国からのサイバー攻撃だった方が良かったぐらいだ

寧ろ某国からのサイバー攻撃でシステムがダウンし、それが報道管制されて国民にはまだ知らされていないという理由の方が、日本の金融市場の世界の中での位置づけを守るという意味では良かったかもしれない。逆に言えば、そのぐらい多くの意味で不思議な点が多過ぎる事件だ。記者会見では「運用系ネットワークの共有ディスク装置において2台あるうち1台でメモリ故障を検知。」とだけ原因を説明した。ど素人だけが聞いているのではないのだから「メモリ故障」という超曖昧な説明だけで終わらせるのはあまりにいい加減過ぎる。だが誰も質疑応答でそこを突っ込まない

下記の図は東証が発表したものだが、絵に描いてあるように共有ディスク装置#1と#2があり、これは全く同じデータを「こういう事態に備えて」記録している。以前、私が自前でサーバーを自宅に置いていた時、ミラーリングというこの手法で万が一のデータ保護(片方のシステムが故障しても全く同じデータが保存してある)をしていた。本来、この部分のシステムはさして複雑なものではない。現在、個人的には自宅内のローカル・ディスクと、クラウドのディスクに分けて保存してある。ネットワークが切断されても、ローカル・ディスクのデータで何でも出来るようにだ。

問題は、共有ディスク装置#1でトラブルが発生した事態に、スムーズに共有ディスク装置#2へリレー出来なかったことだ。これが出来ないのならば、共有ディスク装置を持っている意味が無い。よくある事例としては、首都圏が震災等で壊滅的な被害を受けた時に、首都圏にある共有ディスク装置#1から関西圏にある共有ディスク装置#2への移行がスムーズに行われて、社会の公器としてのシステムインフラは問題なく稼働を維持する(経済ショック的な理由で取引所取引を停止するのとは次元が違う問題)というようなケースだ。三菱銀行経験した1984年の「世田谷ケーブル火災」により、データセンタ及びそのネットワークに冗長性を持たせることは金融関係では常識になっていた筈。更に、東日本大震災の後では、ディスクやシステム関係のみならず、オペレーションをする場所についてまでも、リモートで出来るように対応するよう金融庁から指示が出ている。私が社長をしていた当時の楽天投信投資顧問でも、福岡からオペレーションまで出来るようなBCP体制を厳しい経営資金の中から捻出して作り上げた。

ましてや今回は証券取引所だ。関わる相手は全世界に及ぶ。なぜこんな原始的で単純なエラーが起きたのか、株式会社日本取引所(東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所等を傘下に持つ持株会社)は、徹底的に原因を究明し、再発防止策を完璧にしないとならない。ただそれまでは業務停止を命じられないところが金融庁としても歯痒いところだろう。証券会社個社なら、とっくに改善するまで業務停止命令が下っている筈だ。

そして富士通。恐らくNetApp(旧ネットワーク・アプライアンス社)(NASDAQ:Ticker NTAP)のOEM製品を利用してシステム構築をしたのだと思われるが、同社と協力して、原因の究明を急ぐべきであろう。実は富士通自身、既に自社開発のストレージ機器は作っていない。ある意味では完全に下請け企業だ。NTAPの株価もこれを受けて僅かに下落したが、ただOEMにはOEMメーカーとしての責任もあるだろうし、OEMだからと言って、問題を発見して逆に製品を向上させるぐらいの気概があっても良いと思われる。残念ながら、今の日本のIT企業で独自技術だけでサーバー機器、ストレージ機器、ネットワーク機器、当然AIだのIoTだののシステム一式を開発出来る企業は稀有な存在になってしまった。何とも残念な話である。

NTTがNTTドコモを再度完全子会社化してひとつに纏まるのは何故?

この東証システム・ダウンに驚く2日前、NTTが上場子会社のNTTドコモを完全子会社化すると発表した。メガバンクなどから4兆円超を調達し、ドコモの一般株主が持つ約3割の株式をTOB(株式公開買い付け)で買い取るという。提示されたTOB価格は1株当たり3900円。発表前日の9月28日の終値(2775円)に対して4割のプレミアム(上乗せ幅)が乗せられている。買収総額は4兆2500億円と、国内企業へのTOBとしては過去最大規模となる。

正直、この再度の完全子会社の意図は分からない。確かに政府から携帯料金の4割引き下げを強く要請されているのは事実だ。だがそれが元でこれだけ速やかに電光石火の如くに、過去最大の4兆円を超えるTOBの意思決定が出来るだろうか?少なくとも1993年に分社化されて以降、移動体通信の分野ではNTTとは別の路線を歩いてきた筈だ。穿った見方をすれば、別会社になったとは言え、NTTドコモは独立した移動体通信業者として固定回線インフラを日本中に所有するNTTに対して、公正な競争原理に基づく値下げ交渉をして来なかったのではないか。だからこそ、今回の菅総理の4割安くしろと言う要請を受けて、NTTドコモがauやソフトバンクなどと共に変貌せざるを得なくなる前に、身内に引き戻したとも思えなくもない。

つまりNTTドコモが先頭に立ってNTTに対して回線網使用量の大幅な引き下げなどを要求しないで済むようにという意味である。ただauも旧KDDI時代の国際回線用としてのバックボーンを持っており、弱いのはソフトバンク以下のキャリアだけかも知れないと考えると、NTTの選んだ道はどこかにきな臭いものを感じなく無くもない。ただこれはドコモの株主にとっては朗報だった。4割のプレミアムがついたのだから。逆に、NTTの既存株主にとってのメリットを見つけ出すことは難しい。強いて考えれば、これからのクルマの自動運転、IoT・エッジ・コンピューティング、遠隔医療などを考えたらNTTが付けられる付加価値よりもドコモがつけらる付加価値の方が格段に大きく、早目にそれを再取り込みすべきとNTT幹部(大株主は日本国)が考えたとも言える。

ただもしそうならば、今回のTOBには応じるべきだろう。この先のNTT+NTTドコモのどでかい図体の未来がそんなに明るいとは思えないからだ。通信インフラ業者は残念ながらグロース企業ではなくなる。配当利回りが重視されるバリュー株に転身してしまう。だとすれば、投資判断が全く違ってくるだろう。

 

トランプ大統領危うし、ただ大逆転ホームランになる可能性も大いにある

さすがにこの段階まで来て「COVID-19」の検査が陽性になるとはトランプ大統領も運が悪い。メラニア夫人とどちらが先に罹患したかも分からないし、感染経路なんて、あれだけ行動的に動き回っていれば分かるわけ無いし、今まで感染しなかった方が不思議なぐらいだろう。

問題はこの先の展開だ。ご承知の通り「COVID-19」は高齢になるほどその影響力は強い。トランプ大統領は6月に74歳になったところだ。決してもう若いと言える年齢では無いが、実は民主党バイデン候補の方が更に高齢だ。選挙後約2週間目の11月20日には78歳になる。つまりトランプ大統領が仮に2期目を出来たとした場合の年齢に既に達しており、バイデン候補は1期目終了時で既に82歳、もし2期目を務めようと思ったら86歳までホワイトハウスに居ることになる。それも激務の米国大統領職をこなしながらだ。最高医療の米国とは言え、今最も累積の死亡者数が多く、ACTIVEな感染者の数が多いのも米国だ。78歳でCOVID-19に罹患した場合、そう簡単に「回復しました」とはならないだろう。その程度のことは米国民だって理解している筈だ。だから上手くトランプ大統領が「COVID-19から回復した」となれば、もうバイデン候補に勝ち目は無いと思う。

ただ今日もトランプ大統領はTwitterで元気に演説をしていた。ただ怖いのは、この病気は気になる既往歴が何も無くても、また入院する当日まで普通に元気だったとしても、いきなり坂道を転がり落ちるように体調が悪化する時があることだ。そして現時点において特効薬はない。アビガンは早期には効果があると言われているが、必ずしもそうとも限らず、またトランプ大統領の場合は既に「レムデシベル」を投与しているとのことなので、完全な初期段階では無いのであろう。また関係者が「過去24時間の健康に関する数値がとても懸念されるレベルだったとし、今後、48時間が重要だという認識を示した。」という。例えばLDH(血清乳酸脱水素酵素)の値が高いとか、若しくは「SPO2」の値が低いとか、共にCOVID-19の場合は肺炎の程度を測るのに利用されるデータ項目だが、そうした状態なのかも知れない。米国医師会の雑誌によると人工呼吸管理を必要した65歳以上の患者は97%が救命出来ず、逆に人工呼吸管理を必要としなかった65歳以上の患者の死亡率は26.6%だそうである。

トランプ大統領の場合は人工呼吸管理をせずにTwitterで動画で国民に向けた話をしている。だから通常よりはトランプ大統領に関しては復活に充分な期待が持てるように思われる。その時「私は既に新型コロナウイルスを克服した。ジョー・バイデンはこれから挑戦することになる」と演説したら、かなりインパクトがあると思われる。ただ、重症化して上手くいかなければ、単に新型コロナウイルス・COVID-19を甘く見た独善的な第45代大統領だったで終わるだけだ。

そしてもし、回復して再選した場合、対中政策が今まで以上にとても厳しいものになることだけは肝に銘じておいた方が良い。「中国ウイルス」とCOVID-19を呼ぶような大統領が自ら闘病生活をしたとなれば、その後の強硬化ぶりは火を見るよりも明らかだ。良い例が英国ボリス・ジョンソン首相だろう。復活後、Huaweiをあらためて完全に英国内から締め出すことに賛成したのがその一例だ。

補足:Facebookの方に掲載しましたが、一旦SpO2が下がって酸素吸入を行っているようです。これはあまり良い話では無いです。

 

市場を予見するのは難しい。ましてや過去に同じ市場環境は2つと無い。

今週もまだボラティリティは非常に高い。日経平均株価のインプライドボラティリティ(オプション価格が織り込んでいる、市場の予想変動率)が25.96と前週末よりも更に1.93上昇している。別名「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数も27.63と前週末より1.25上昇している。つまり上下への予想変動率は結構高いとまだまだ誰もが思っているということだ。日経平均が1日の間で上下に数百円の値幅となることなど頻繁に起こり得ると思う。ただ狼狽する必要は全く無い。何故なら、いつもお伝えしている「右肩上がりのビジネス・トレンド」は厳然として存在し、更に勢いを加速させているからだ。そしてあまりにも債券市場は淡々と状況を見ているということだ。それはイールドカーブの時系列変化をみれば直ぐに分る。全く動いていない。

こうした時、賢者はよく過去の市場パターンに学ぼうとして、類似の状況を探す。そしてその状況から判断して何らかの答えを得ようとする。だが断言出来るのは、同じ市場環境は二度と示現しないし、そもそも存在しない。株価が上がれば直ぐに喜んで「株価バブル」とか、「株価バブルは〇〇日にこうして崩壊する」などと、あたかもタイムマシーンで見てきたような大法螺を吹く人も大勢いるが、仮にバブルだったとしたら、既に中央銀行が金融バルブを締めている筈だからだ。過去の例は全てそれを無視した結果だ。要は中央銀行が梯子を外しているにも関わらずに駆け上がり、それこそ文字通り「梯子が外されている」ことに気がついて急降下したのだ。今現在、中央銀行は金融バルブを全開にして、梯子は掛けっ放しだ。

そして今回のトランプ大統領が新型コロナウイルスの陽性反応を示したことで、どんなに周りが気を遣ってウィルスを遠ざけていたとしても、誰でも陽性となり得ることが証明された。今現在は陰性の民主党バイデン候補が明日も陰性である保証はどこにも無いということ。無菌室に隔離でもされない限り、感染リスクは排除出来ないということが証明された。そして残念ながら、この病気は年齢が上がる程に致死率が高くなる。これは「右肩上がりのビジネス・トレンド」のアクセラレータでしかない。

翻って、日本の状況を考えるならば、9月19日から始まった4連休の2週間後がこの週末だ。私が集計している限り、厚労省や都庁、或いはジョンズホプキンス大学が改竄データを公表していない限り、あれだけの人の移動などがあっても「感染爆発」はしていない。毎朝アナログに集計している「世界の新型コロナウイルス感染動向・国別データの分析」は是非ご覧頂きたい。日本がどれだけ優れた状況であるか、全てのデータからお分かり頂けるだろう。もし、日本がそんなに悲痛な状態だとしたら、米国は完全に毎日が阿鼻叫喚の大騒ぎになっている筈だ。日本全体では人口17,983人にひとりが現在陽性反応を示し、東京都だけに限ると6,749人にひとりが陽性反応を示す。症状の有無は関係なく、あくまでも「陽性反応」というレベルだ。それが米国では僅か76人に1人が陽性反応だ。スペインもほぼ同数値だ。亡くなった人の数も、日本全国で79,548人に1人、東京都で33,942人に1人に過ぎないところ、米国では1,563人に1人、スペインでは1,454人に1人が亡くなっている。海外の数値は国全体の話なので、大都市圏など特殊な場所を調べれば、よりもっと酷い数字が出て来るだろう。ただそれでも毎日NYSE(ニューヨーク証券取引所)は取引を継続している。

ワクチンへの期待が高いことは知っているが、特効薬も含めて、今目の前に無い以上、それに期待するのは馬鹿げている。いつ、有効なそれらが登場するかを期待して投資をするのはギャンブルだ。もしどうしてもと言うのならば、絶対に文句は言わないと短冊にでも書いてパソコンの脇にでも吊るしておくべきだろう。つまりそんなものは当分出来ないと思って投資戦略は練るべきだ。仮にそれが完成すれば、ほぼ間違いなく市場は某上げする筈だから、信用の売り建てでもしない限り、誰もが幸せになれる。

 

こんな市場展開の時にお薦めなのが、ズバリ「オプション取引」。

実はこんな時、お薦めなのがオプション取引である。これだけボラティリティが高ければ、オプションの投資妙味は非常に高い。ただ売り建てと買い建てだけが選択肢の先物に比べて、オプションには(1)対象資産の価格、(2)行使価格、(3)金利水準、(4)満期までの残存期間、そして(5)ボラティリティという5種類の価格決定要因がある。原理原則を覚えてしまえば、決して難しいものではないが、こればかりはきちんと一度は勉強しないと手を出すのは危険だ。ただ今のような市場展開ならば、余程のことが無い限りは損失を出すことの方が難しいだろう。

見たことも聞いたこともない小型株にイチかバチかで勝負を掛けるより、余程合理的であり、論理的に取引が出来る。当然、今所有している複数銘柄のポートフォリオや投資信託のヘッジに使うことも出来る。きちんとストラテジーを組めば、先物の様に「損失無限定」などという恐ろしいことにもならない。それがオプション取引だということ、覚えて置いて欲しい。

 

注目の右肩上がりのビジネス・トレンドとトピックス

スマートウォッチが大流行してもおかしくないその理由

まずは下の画面を見て頂きたい。実はこれ、Apple Watch Series 6 (以下:アップルウォッチ)の血中酸素ウェルネス App で、血中に取り込まれた酸素のレベルを測定する機能について説明されているページだ。何段階が掘り下げて見に行かないと見つけられないページであることは確かだが、この機能のひとつだけでも今度のアップルウォッチは買うに値するかも知れないと思っている。画面をクリックすれば、直接該当ページまで行くので、スクロールダウンして欲しい。

何故、これが優れているかと言えば、血中酸素濃度(SpO2)こそ、新型コロナウイルスに感染した場合に肺の機能が正常に働いているのか、或いは相当に肺炎が進んでいるのかが分かる数値だからだ。通常、SpO2は96~99%が理想的な値と言われているが、COVID-19の影響で肺炎が進行するとこの値がどんどん低下する。よく聞く話としては、このSpO2の値が90を下回って来ると意識障害を起こしたり、更にはチアノーゼが出たりすると言われているが、COVID-19による肺炎の場合、何故か相当に低下しても、本人でさえそれと気がつかずにいる場合がある。これは米国の医学界でも取り上げられている。

だがその段階でMRIやCTなどで肺の画像を撮ると明らかに白くなって肺炎の症状を露呈しており、直ぐに酸素吸入が始めることが出来る。個人的にはエラーも多いPCR検査の数だけ増やして、新規陽性反応確認者を増やすことに精を出す今のやり方よりも、余程こうしたスマートウォッチを利用して、SpO2の把握をする方が良好なのではないかと思っている。

 

特に高齢者の必須アイテムになる可能性がある。それは通信機能とGPSが内蔵しているから。

特に今後は新型コロナウイルスの問題に関わらず、これが高齢者の必須アイテムになる可能性があると予想する。下の左の図の機能、これは多くのスマートウォッチが既に内蔵している機能で心拍数を測っている。ある水準以上になるとアラームが鳴るが、当然、衰弱して低下していくことを測定することもファームウェアのアップデートで幾らでも対応出来るだろう。既にそうなっているかも知れない。

その上で、右側にあるようにSOSを呼ぶことも出来る。GPS(位置情報システム)を内蔵しているので、当然どこで倒れたかの位置情報を相手側に知らせることもことも、自動的に伝えることも出来る。セコムなどで認知症による徘徊の防止の為に、首からぶら下げる装置も古くからあるが、普通に腕時計でそれが出来るのは画期的だ。iPhoneを持っていればWiFiタイプで対応可能、iPhoneを持っていない場合はWiFi+Cellularモデルにすれば、問題なく対応出来る。

 

 

 

遠隔医療がこれからはもっと身近なものになる筈。その始まりを予感させる。

現時点において、アップルウォッチの体温を測定については精度の問題に少々難ありとも言われているが、血圧については遠からず実現する可能性が高いとの情報もある。そして当然心拍数はあり、SpO2の情報が新たに加わるとなれば、高齢者の健康状態の遠隔確認にはかなり有効だと思われる。

患者が自宅の外にいることはGPSで分かる。にもかかわらずSpO2が低い、或いは心拍数が異常に高い/低いという時に、まずは電話を掛けてみる。「大丈夫ですか?心臓がバクバクしているようですが?」とでも聴いて「ちょっと階段を早足で登ったら息が切れました」というような会話が出来れば、「暫くベンチにでも座っておちついてから帰って下さいね」などと話すことも出来る。

逆に自宅の外にいるのに、心拍数がどんどん低下して、SpO2まで下がってきたら、急いで救急車を向かわせることだって出来るだろう。

自宅に居る時でも、体温、心拍数、血圧、SpO2の何かに異常値が出れば、最低限それを自動的に記録することは出来るし、状況が整えば必要な人に連絡を本人から、或いは自動的に行うことだって出来る。

新型コロナウイルス(COVID-19への対応)

PCR検査で仮に陽性でも無症状の場合にはホテルや自宅での待機が指示される。そして定期的に自分で検温したりするようだが、その人のアップルウォッチから自動的に「熱が37.5度を超えてきました。」と連絡が入り、仮にSpO2が下がってきていれば、当該施設の担当看護師や医師が迅速に対処することが出来る。発熱とSpO2の低下は、肺に何らかの症状が出てきた証拠だからだ。

発熱もせず、SpO2も適正値を維持していれば、そのままのんびりと隔離生活を過ごせば良いだけの話だ。逆にPCR検査など受けたことのない人が、熱が37.5度を超えてきて、SpO2が低いのならば、PCR検査を待たずして、先にCTなりで肺の画像を診ることだって出来るかも知れない。

恐らく、これだけで格段に診断精度は上がると思われる。入院が必要な人、緊急措置が必要な人、いちいち多忙な医療関係者が足を運ばずとも、より多くのことが分かり、出来るようになるだろう。

 

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