FG Premium Report 9月5日号(インフレよりリセッションが怖い)

INDEX

利上げで雇用環境は緩和されない

失業率上昇の真意

ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言を受け、注目すべきポイントが雇用環境であることは明らかとなった。何故なら、商品価格に代表される(エネルギーなどを含む)インフレ状況は既にピークを打っていることは周知の通りであり、議長のスピーチもそこには触れず、雇用環境がタイトだということをメインテーマを掲げていた。従って週末に発表された米国8月の雇用統計は先週の最大注目材料となった。

結果は非農業部門就業者数は31万5000人増加、失業率は3.7%(前月は3.5%)と7カ月ぶりの上昇となった。就業者数の伸びが前月の52万6000人増(改定値)から減少したのは8月12日を含む一週間(Summer Vacationのど真ん中)の数字であることを考えると妥当なものだ。また肝心な平均時給の対前月比での伸び率も0.3%(市場予想は0.4%)と前月の0.5%よりも低下している。下のチャートは平均時給の前月比伸び率の推移を示している。

これらを見ると、週末に発表された米国8月の雇用統計は、少なくともFRBが次回のFOMCに向かって「これでは賃金上昇が収まらない」と頭を抱えるような状況では無くなりつつある兆候と読むことが出来る。

また既に7月初めから大手ハイテク企業の多くが新卒採用や中途採用を停止し、更にはより踏み込んで人員削減に向かっているところが増えているとは報じられていたが、日経新聞9月3日の朝刊にも「米IT、人員削減広がる ソフトバンクG出資の新興勢など 2カ月で倍増、支出減急務に」というホワイトカラーへの締め付けが始まっていることが報じられている。現在、米国の雇用環境における最大の問題点は労働参加率がパンデミック前の水準を回復していないこと。労働参加率は62.4%と、7月の62.1%からは上昇したが、パンデミック前の水準をなお1%下回っているのが現状だ。さはさりながら、家計調査によると78万6000人が労働力として参入しており、失業率が0.2%上昇した理由は分母が増えたからだと言える。労働力人口は1月以降、大幅に増加し既に2019年12月の過去最高を上回っている。この辺りを紐解くことが、今回の雇用統計を読み解く上でのポイントとなる。

結論を言えば「今月も0.75%の利上げの可能性が高い」と怯えるよりも、「市場は現在最悪のシナリオを既に織り込んだ状況にある」とみる方が正しいだろうということだ。少なくとも景気の過熱感は無いのだから。

米国債市場は淡々と債券を買い戻している

この見方が正しいことを裏付けるように、週末の米国債市場は淡々と債券を買い戻している。金利が低下するということは、投資家が債券を「買っている」ことに他ならない。諸々のことを考えた上で、週初若干は狼狽して売りに掛かったところだったが、結局は下のイールドカーブが示す通り、10年債金利は3.25%から3.19%まで買い戻されている。週末金曜日に関しては、全期間に亘って債券が買い戻され、金利は低下、市場(メディア?)が騒ぎ易い2年債の金利については、前日の3.50%から3.39%まで0.11%も下落し、8月25日以来の水準にまで低下した。下の図は「米国の利上げに怯える人たちへ」で表示したチャートそのままに、9月2日分(青色)を追加したものだ。比較して見て頂くのも参考になるだろう。

 

それでも米国株式市場は下落したのは・・・

先週の日米の株式市場、その騰落率で見ると全滅となった。余りに継続して下落する株式市場を見て、正直な感覚では「そんなにまで市場は暢気に利上げの中止、或いは近々の利下げを期待していたのか?」と驚いてしまった。それなら能天気すぎるだろう。また逆に「あのパウエル議長のコメントをそこまでタカ派的なものと受け取ったのか」というものでもあった。誰もがFRB発表のスピーチ・スクリプトを読んだとは到底思えなかった。米国市場では9月1日のNYダウとS&P500は反転したので連敗記録は一旦止まったが、ナスダックはジャクソンホール会議の26日以降で6連敗となった。すなわち25日終値の12639.27ptsから11630.86ptsまで△1008.41pts(△7.98%)も下落している。その傍らで米国10年国債の金利は僅か0.16%しか上昇していない。

月末を超えたので、月間のパフォーマンスと、年初来のパフォーマンスも確認しておこう。8月の米国株市場は押し並べて△4%超の下落となった。一方で日本株市場はプラスの記録を残すことが出来た。昨年出遅れた分だけ優位に今年は進んでいると言えるだろう。

ただその米国株の中でハイテク関連が多いNASDAQ指数だけが8月26日から6連敗となり、通算下落率も△7.98%まで膨らんだ。良いところなく、下落し続けたということだ。ただ「(4.64%+1.57%)-7.98%」という計算式から、ジャクソンホール会議の26日までは8月は+1.77%だったことも分かる。つまり、ドラマの全体シナリオは取り敢えず「ジャクソンホール会議、あそこで変わった」ということであり、ナスダックにだけは別のドラマも起きているということだ。

金利上昇の恐怖に追い打ちを掛けた米国対中政策

半導体企業の中で現在最も鼻息が荒い、そして業界の覇者(時価総額では既になったいる)となるであろうエヌビディア(NVDA)が8月31日の引け後に発表した内容は、株式市場にトランプ政権時代の「Huaweiの締め出し」を想起させたのかも知れない。その内容とは同社が作るAI向けの最先端半導体を中国企業に輸出することは、軍事転用の可能性もあるので政府の認可を必要とするようにされたというものだ。これにより同社は第3四半期の売上が$400Mのショートとなる可能性を示唆した。併せて、同様にGPUを製作するアドバンスド・マイクロ・デバイス(AMD)も同様な内容を発表し、今や時価総額上位となっている両銘柄が大幅下落となったことがナスダックの下落に貢献している。下は半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体指数とナスダック総合との相対パフォーマンス比較のチャートだが、明らかに半導体関連銘柄の下落が足を引っ張っている。どちらも時価総額加重平均の指数なので、最大時価総額のエヌビディアの下落は大きい。

ただこれは「Huawei」の締め出しとは全く異なる話だ。あれは5Gという既に確立され、横展開(deployment)が始まっている通信規格の問題であり、特許料を払えば、多くのメーカーで代替品のカバーが出来るものだ。だが今回のエヌビディアやAMDの最先端GPUに関わる問題は、おいそれと他社が真似出来る話では無い。

一旦はエヌビディアもAMDも多少の影響は出るかも知れないが、両社が開発し、製造している「半導体」は逆立ちしても(産業スパイを多用して技術を仮にある程度盗用しても)、数年程度の開発期間では両社製品の代替品を実物化することは出来ない。仮に中国が台湾を占領し、TSMCのファブを全て押さえたそしても、IP自体は米国企業である両社が保有しており、何も出来ないはしない。数年後に、もし何らかの代替品が製造出来るようになった時には、両社の製品は更なる高見に届いているだろう。中国の半導体製造技術(開発・設計も含む)はそこまで至っていないからだ。

下記の写真を見て貰おう。以前にもご紹介した図(記憶は飛んでいるかも知れないが・・)だが、これが今のエヌビディアが開発・設計し、製造をファンダリーに任せている「半導体」だ。ここにはパソコンやスマホに使う半導体は一切含まれていない。またこの写真に映っている「半導体」はどれも皆、データセンタなどでのAIを稼働させるための最重要「半導体」群だ。

このままそっくり同じでは無いが、アドバンスド・マイクロ・デバイス(AMD)がザイリンクスやPensando社を買収して同じく開発・設計し、製造をファンダリーに任せている「半導体」も類似の性格だ(FPGAは更に高度な能力を持つ)。そしてどちらもTSMC(台湾積体電路製造)をファンダリーとして製造される5nmや3nmといった最先端ノードで作られる、ある意味では「プレミアム・チップ」と呼べるようなものだ。

逆にだからこそ、バイデン政権はこれらを軍事的脅威の源とならないように、「中国企業に輸出するには原則許可が必要」と通知した。それだけ世界が渇望するものだ。前回、GPUがなぜAIに使われるかをご紹介している。ただ超々ハイエンドのGPUを幾ら作ったところで、実際にはその周りで共働する半導体が無いと性能向上は図れず(並列に繋げない)、宝の持ち腐れとなる。

今回、エヌビディアに政府から要請が出たのは、同社の最先端品でもあるA100とH100という「半導体」だ。実は意図的にすべて同じに「半導体」と記しているが、これらも「半導体」であり、ロシア製のドローンを現在制御している冷蔵庫などから抜き取った半導体も「半導体」であり、本体が14000円程度の学習用パソコンに使われるCPUも「半導体」、当然それに搭載されるDRAMやNAND、或いはネットワーク・チップも「半導体」である。

今の市場に欠落しているのは「半導体」と十把一絡げ見てしまう目ではないかと思っている。それは「軽自動車」も「F1レーシングカー」も「クルマ」だから一緒だと言っているようなものだ。参考にWSJ誌の「遠のく中国AI覇権の夢、米が先端半導体に新規制」をご紹介する。

この冬、欧州経済は持続可能なのか

金曜日のNY市場が雇用統計を受けて持ち直しかかったところに水を差したのは、ロシアが欧州向けの天然ガス・パイプライン「ガスプロム」で、ガスをリンクに送り込むのを助けるガスタービンの油漏れが検出されたとして3日の再開を延期したことだ。ただ同様のオイル漏れは、現在は機能していない他のタービンでも以前に検出されており、「これらのタービンのオイル漏れを完全になくすことは、専門の修理会社でのみ可能」とガスプロム側は説明している。一方で、パイプラインのタービンを製造するシーメンス・エナジーは、ガスプロムが発見したことはガスの削減を正当化するものではないという。つまりロシアの戦略的な意図が見え隠れする。

欧州では冬までにロシアのガスへの依存を切ろうと躍起になっており、大陸が冬を乗り切るための対策(ストレージの 90 ~ 95%蓄える) を実施しようとする中、パイプラインの無期限閉鎖は、さらなる欧州の経済的混乱を齎す恐れがある。

何十年もの間、安価なロシアの天然ガスへの依存を構築してきたドイツは、現在、その大国経済を保護するために、わずか数週間でエネルギー政策を再構築しようとしているが、それにはかなりな未知数が含まれる。また欧州を襲っている異常気象(熱波と干ばつ、そしてパリなどでは洪水を伴う豪雨)は少なからず欧州経済にダメージを与えている。この時期、欧州は長期のバケーションシーズンにあるため、まだましなのかも知れないが、自然災害の影響もかなり深刻なようだ。

具体的には欧州では現在60%以上の地域が渇水による干ばつの危険にさらされている。欧州委員会が23日、8月の観測報告を公表した。欧州のほぼ全ての河川が何らかの形で水位が下がるなど、過去500年で最悪の渇水状況が続いているという。その結果、過去5年間の平均値と比較すると、今年のトウモロコシ収穫量は16%減、大豆は15%減、ヒマワリは12%減になる見通しという。またドイツの内陸輸送を支える船舶への影響に加えて、河川の水位下降は、すでに危機的な状況にあるエネルギー業界に一層の打撃を与えている。報告書によると、水力発電量は20%も減少しているとも言われている。「ドナウ川のさざ波」は今や昔話なのかも知れない。

驚くほど低下してきた原油価格

そんな欧州の現状からか、或いは再度一部地域でロックダウンを開始した中国景気の影響からか、原油価格の低下が著しい。つまり需要の低下を織り込んでいる。一部には、外貨獲得の為にロシアが安値で原油を輸出しており、中国やインドが大量購入者になっているからという話もある。いずれにしても、現状の原油価格は一時期のように120ドルを突破して天井知らずというようなイメージとは正反対の状況にある。

 

右肩上がりのビジネス・トレンド

遂にMacBook Airも手に入れた

ご承知の通り、私はWindows95の時代から自ら使うパソコンは自作してきた。また基本的には一年毎のCPUやチップセットなどのモデルチェンジの度に、新しいモデルのCPUやマザーボードに切り替えて作り変えを行ってきた。面白いもので、新しいパソコンを組み立て、既存のパソコンのデータを移行し、或いは自宅中のネットワークを拡充して予備機として稼働させるなどすると、不思議なぐらい投資のヒントとなる何か新しい発見があるものだ。

ただ生まれてこの方、私は一度も「Mac」と呼ばれるアップル社製のパソコンは使ったことが無い。何故なら「Mac」で使われているOSはWindowsではなく、自作PCとして「Mac」を作ることは出来ないからだ。一時期の「Mac」はApple社が自社製CPUの製作を止めてインテルから供給を受ける形となっていたが、ハードウェアはWindowsパソコンと全く同じものでも、OSだけはApple社製だった。

一方で、私はハードウェアには前述したように自作で拘り続けてきたが、ならば動画などの画像編集や、デザイナーがするような作業をすることは無く、もっぱら使うのはMicrosoftのofficeソフトが中心だった。結果として従来からの先入観も手伝って「自分はWindows パソコンで良い」と決め込んできた。

だが2つの刺激が今回私に「MacBook Air」の購入を促した。

まずひとつ目は同じくWindows パソコンのユーザーだった長男(幼稚園児の頃から私が新しいパソコンを自作する度に放出してきたので、正しくデジタル・ネイティブだ)が仕事でそれなりに大きく大量のデータ解析を行うのに「Mac」を使っていることを知ったからだ。曰く「Macの方がコスパが良くて、能力が高い」という。つまり処理が速いということ。彼の「Mac」のCPUはM1と呼ばれる今年の7月までは最新モデルのCPUだ。

そしてもうひとつは「MacがあるとiPhoneとかと自動でデータがリンクするから凄く使い易いんだよね」と言ったことだ。

そもそも彼らの世代、ご想像の通り、四六時中スマホ(iPhone13 Pro)を手元に置き、何かあるとあっという間に検索して調べて答えを見つけだす。耳にはいつでも白いAirPods proが刺さっていて、例の独り言を喋っているかのように音声通話をしたり音楽を聴いたり、ノイズキャンセリングで静寂の中に居たりする。更には自由自在にテレビモニターなど大画面にスマホの画像を飛ばして家族と共有したりする。

確かに私もiPhoneとApple Watchを使うようになって、外出時の利便性は格段に向上した。iPhoneをサイレントモードにしていても、SNSの着信はapple watchが振動することで手首に教えてくれるし、電子マネーのSUICAもスマホを取り出さなくても使えるから駅の改札通過も手首をかざすだけ。iPhoneがカバンの中でも、apple watchで電話に出ることさえも可能だ。まるでウルトラセブンのウルトラ警備隊の様でもある。当然、iPhoneで撮影した写真は、iPadのより大きなスクリーンで楽しむことも出来し、Kindleなどの電子Bookは好きなようにどちらの端末でも直前に読んでいたところから開くことが出来る。

そんな利便性に、ノートパソコンが加わると何がどう変わるのか、私のような好奇心の塊が興味を持たないわけがない。息子に言わせればMicrosoftのofficeソフトを使うのにも何の不自由も無いという。以前、Mac用のofficeの出始めの時は随分とトラブっていたという「先入観」もあったが、どうやらそれも昔の話の様だ。考えてみれば、Fund GarageのWebページをデザインしてくれている人も、MacのPowerPointでファイルを作って送ってくる。

Apple社ワールドが基本的に揃った

これで漸く基本的に、ノートパソコン、スマホ、タブレット(ペンシル)、スマートウォッチ、ノイキャン・イヤホンとITガジェットの全てをアップルワールドで揃えることが出来た。これでアップルのエコシステムにどっぷり浸かると何が起きるかを自分自身できっちりと体験出来るだろう。そうすることで、技術探訪だけでは見えてこない(アップル社の技術力は高いが、歴史的に見れば、ハードウェアの技術は時に他社に譲ってでも、ソフトやアプリの面白さなどを優先してきたカルチャーがあると思っている)、アップル社の考える未来図が見えてくることを期待している。

今回手に入れたMacBook Airは最新のCPUであるM2を搭載している。これがまた、ハイテク技術オタクの私には非常に興味津々の代物だ。息子が「これで充分現状はいける」と言っていたCPUの「M1」の後継機だからだ。当然能力はより高い。製造はTSMCで5nmだ。以下のスライドがM2に関する紹介ページだ。

勿論そのままWindows系製品もデスクトップとノートパソコンと保持している。双方を使い回すことでいろいろと見えてくるものがあるだろうと期待してもいる。

これから使い込むことで、また新たな「右肩上がりのビジネス・トレンド」を見つけることが出来、皆さんにご紹介することも出来るのではないかと、相当にワクワクしている自分がここに居る。

 

まとめ

『投資の勉強』は身近なところから

今年の4月から高校の家庭科の授業に「投資教育」が取り入れられたが、実は私のような職業キャリアの者でも、基本的な勉強は身近なところで起きていることを参考にして取り入れたり、気づきを得たりしている。今回の「右肩上がりのビジネス・トレンド」の欄でお伝えしたかったのは、これも私の勉強方法のひとつだからだ。株式投資で儲けた資金は株の勉強のために再投資して使う。そうすると、また次のヒントが浮かんで、自信をもって次の投資をすることが出来る。

勿論、証券アナリストの検定試験やFP試験などで「知識」を磨くことは出来る。ただ市場が荒れたり、急落したりした時、日頃どうしていれば心の安静を保つことが出来、また自信を持って買い下がることなどが出来るかまでは学べない。大切なポイントは、その会社の製品やサービス自体に自信を持って満足していると言えるか、思えるかどうかということが大きいと思う。「凄いことをやっている会社」だと尊敬出来ていれば良いのだと思う。まずはそこが「投資の勉強」の第一歩になると思う。

もしかすると、今回MacBook Airを買ってみて、暫くあれやこれやと使い込んでみて「やっぱりWindows パソコンの方が良いな」と思うかも知れない(たぶん、そうはならない予感がしているが・・・)。もし、そうなれば、アップル(AAPL)の株を買うこと、保有することの不安は増幅されるだろう。逆にやっぱり「凄いなぁ」と想い、アップルの製品群、エコシステムに惚れ込んでしまえば、そんな不安や動揺も起きないだろう。寧ろそこから更に拡がる次なる可能性に興味が湧き、調べることも増える筈だ。

昔、携帯電話の出始めでは、多くの人が「ケータイなんて要らないよ」と言っていた。docomoの社長は「写メなんて誰も撮らない」と豪語していた。そしてiPhoneが登場した時「キーボードが無いケータイなんて使い辛くて駄目だよ。スティーブ・ジョブズも終わったな」とよく聞いたものだ。

プリウスが登場した時も「なんて不格好なクルマだ」と笑う人の方が多かった。テスラが最初に電気自動車を発表した時も「命懸けで乗るんだろうな」と嘲笑された。私は技術的に安定してきたと言われた3代目プリウスで初めて手に入れ、それ以降、ハイブリッド車の魅了されて3台目になる。

テスラについては、BEV(電気自動車)の電力供給自体にまだまだ懐疑的なので手は出していない。寧ろFCEVのトヨタMIRAIに興味があり、近隣に水素ステーションが出来れば真剣に考えたいと思っている。

「一次情報を得ましょう」というのは、決して難しいことでは無い。確かにあまりにも高価なものだと実際に試してみるのは難しいかも知れないが、ベンツやレクサスだって、ディーラーで試乗することは可能だ。要するに工夫することだ。またそうした行動をすることを楽しいと思えれば、投資の為のリサーチは一石二鳥の喜びとなるだろう。

夜中に預金崩して米国株を買う楽しみ

雇用統計が発表された金曜日、やはり暫く米国市場の動きを追いかけた。バーボンウイスキー片手にYouTubeやamazon Primeを観ながら睡魔に襲われるのを待つ時間がこの上なく幸せなのだが、金曜日の夜は株価を見ているだけでは収まらなくなった。

今の時代は便利なものだ。真夜中でも楽天証券の口座にログインして、リアルタイム入金でメインバンクの三井住友銀行の普通預金から資金を移動させることが出来、そしてそのまま値動きしている米国株をリアルタイムで買い行くことが出来る。勿論、反対に売却することも出来る。いちいちトレーディング部門を通さないとならないファンドマネージャー時代よりも易しい。

「なんでここでこんなに値下がりしているのだろう。バーゲンセールだな」と思えたのは、その会社の最先端技術の製品が軍事転用されれば国家存亡の危機に陥るとまで思われる程に「凄い最先端技術」を有する大好きな会社だ。勿論、目先数四半期は決算の都度、ウォール街のしたり顔のアナリスト達に「売り上げは?収益は?収益率は?」と詰められ、ゲーム用のGPUとAI用のGPUの区別もつかないような年金基金のファンドマネージャーにも嫌われるのかも知れない。

ただ実ビジネスの現場では、多くのFortune500を彩るようなビッグカンパニーのCEOやCTOに渇望されるのを作っているのだ。何故なら、その製品無くして、最先端AIは稼働せず、Transformerと呼ばれる自動言語処理のニューラルネットワークによるディープ・ラーニングがままならないのだ。ひと世代前のAIを駆使したショッパー・マーケティングを駆使することでさえ、ウォルマート(WMT)はこのマクロ環境下で好決算を手に入れた。

この技術を使ったAIは既にDNA の遺伝子鎖、タンパク質やアミノ酸鎖を理解する助けとなり、医薬品設計を加速させるのに役立っており、よりこの流れを加速させるだろうと言われている。人類の未来、それも「健康」に関わる部分に凄い影響を齎すものだ。その企業にとって、目先の$5mの売上減少にどんな意味があるだろうか。私は迷わず、リアルタイム入金で資金を移動し、ほぼその場の時価で追加購入し、満足して眠りについた。あとは「果報は寝て待て」だと思う。翌朝、株価は買値よりも若干更に安かったが、そんなことは「I don’t care about it」だ。

因みに、私は職業投資家として投資判断をしていた時を除き、殆ど保有する株式を売ったことが無い。別に有り余る資金を持っているわけでは無く、単に日常生活に支障を来さないように収入とある程度の流動性は常に確保した上で、株式投資を楽しんでいるだけだ。どうしても現金が足りなくなれば、その時に売れば良いとも智思っている。株主優待を受け取るのも楽しいものだ。そうしたロングターム・インベスターなので、結果的に買値を現在下回っているものはない。

また秘策としては、同じ銘柄を買増すことの方が多いこともあるだろう。

時々、証券マンも含めて、ありとあらゆる業種や銘柄を語る人が居るが、自分が個人で真剣に長期投資する銘柄は100も50も要らないと思っている(職業柄、リサーチ・ユニバースは当然3ケタに及ぶが・・・)。寧ろ少数銘柄を追い掛けている方が、その値動きも含めて色々な癖まで良く分かるものだ。だから是非、「自分の好きな銘柄」、ご自身の「MFCL」を作るつもりで株式投資に臨んでもらえればと思う。

 

My favorite Companies List(株主となって所有したい企業のリスト)

※ 現在、トヨタ自動車(7203)をリストに加えることを検討しています。そもそも「大好きな」企業ではあるのですが、同社については「あまりにも王道過ぎる」というコメントをリアルセミナーなどでも昔からよく聞くもので、「抜き」で考えてきました。ただメンバーの方からのご意見を聞いて検討することとしました。

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