関連銘柄探しの旅(米国株編)では、My10(My favorite 10 Companies)に選んだ米国株5社に至るプロセスを共有します。米国株には魅力がある銘柄が多いので、米国株投資のヒントにしていただければ幸いです。
関連銘柄探しの旅(米国株編)①では、今後は、エッジで高速処理する用途特化型の半導体の役割が重要になることを確認した。
個々の用途に特化する必要があるということは、顧客のニーズでプログラムが書けることが必要でもある、ということだ。それは①でも②でもなく、当然エヌビディアのGPUの役回りでもない。
これがFPGA(Field-Programmable Gate Array)と呼ばれる半導体の役割で、ザイリンクス(XLNX)はその世界No.1の米国企業である。
この会社と初めて出会ったのは、日本の某電子部品メーカーの役員の方から教えて貰ったのがきっかけで、早速本社があるサンノゼまで調査に出掛けた。当時、自動車の電装化ということが言われ始めた頃で、ITバブルが弾けた2001年頃だったと思う。某電子部品メーカーは自動車部品に算入することに躍起で、FPGAが必要だった。
「大島君、米国企業も見ているんだよね。カリフォルニアのザイリンクスなんか面白いと思うよ」と教えてくれた。正直、私もその時初めて「購入後にユーザーがプログラム出来る半導体がある」ということを知った。そして会社訪問をしてみて、非常に面白いポテンシャルの高い企業だと思った。「あそことここが協力して自動車部品に参入して・・・」などと、ひとり大発見をしたと嬉しかった。
しかし、帰国後、デンソー(6902)の技術者に話すと「まだ自動車部品の品質としては足りないんです」ということを教えてくれた。「民生用電気機器なら良いんでしょうが、車の要求水準は高いんですよ」ということだった。なるほど、某電子部品メーカーも民生用電気機器が現状主力だ。
そのザイリンクスと再会を果たしたのが、先の「オートモティブワールド2019」というビジネスショウだ。そんなに大きく出展はして居なかったが、私には驚きだった。特に私の興味を引いたのがこれ。なんと2013年から始まって、2017年には26メーカー、96車種に既に搭載されている、すなわち実績が出来ているということである。初対面の時から10年の時を経て、彼らは実績を上げていた。

早速、Webページをまず調べに行く。前述したように、やはり日本語でのWebサイトが充実している(https://japan.xilinx.com/)。その一枚がこれ。

やはり探しているキーワードが散りばめられている。
確かデンソーのWebページか、関連のニュース記事で見つけたあるデンソーの部品の写真には、残念ながらザイリンクスと競合のアルテラ社の半導体が載っていた。何故分かったかというと、その半導体に「Altera」とロゴが見えたからだ。ただ残念ながらアルテラ社は、インテルが2015年に買収して非上場となってしまった。インテルは侮れない存在だし、個人的には大好きな会社なのだが、今のインテルは少々ダッチロールしていると言わざるを得ない。その話は別の機会にとっておくとして、ならば残るはザイリンクスしかない。
1月に発表した決算も良好、My四季報を使って財務状況を11年3月期決算から確認したが、安定期から飛躍期に入りそうな気配を感じることが出来た。
そのビジネスショウで同様にインスパイヤされたのは、日系企業では村田製作所とロームだという事は「日本株編」の方で紹介したが、外国株としては、ザイリンクスの他に、ウェスタンデジタル(WDC)、アナログデバイセズ(ADI)、STマイクロエレクトロニクス(STM)、それとインフィニオン・テクノロジーズ(IFX)。ただSTMとIFXは欧州株になってしまう。とはいえ、車載という点から今回のビジネストレンドの追うならば、少なくとも内容は要チェック。パワー半導体分野ではインフィニオンが、その他の車載半導体などの分野ではSTマイクロエレクトロニクスが非常に強いからだ。
関連銘柄探しの旅(米国株)③は近日公開予定です。
