所感/雑感
実に退屈な一週間だったよう見える日本市場だが、個人投資家の多くは楽しい一週間だったのかも知れない。この一週間のマザーズの騰落率は+3.89%、Jasdaqでも+1.69%。実際お会いしたある個人投資家は非常に楽しそうだった。その一方で確かに東証一部は殆ど動いていないし、25日の売買代金は辛うじて1兆円を維持したが、これは通常の半分程度でしかない。
日米各株式市場の先週の終値と週間騰落率

最大の理由は日本市場の売買主体が日本人ではなく、外国人投資家だということだ。だから外国人投資家が休みになるこの時期、めっきり商いは減り、市場は超閑散な状態となる。恐らくこの状態は今後も当分変わらない。日本人投資家が市場をリードすることは、この先も期待しない方が良い。
これは来年の投資を考える上で大きなヒントとなるだろう。そう、外国人投資家と同じ目線で市場動向を考えれば、自ずと次の一手も見えて来る筈だという事だ。必要とあれば、株価を円建てで見るのを止めて、ドル建てで見るのも一手かも知れない。外国人投資家のポートフォリオは通常基軸通貨のドル建てだからだ。パフォーマンスもドル建てで計算した方が外国人投資家の気持ちに成り易い。チャートの形も変わって来る。
投資家が年末年始にすべきこと
ファンドマネージャーという稼業は通常は24時間営業だ。勿論「寝ない」という意味では無いが、間断なく変化する市場動向に対応するために、それこそ心も体も休まる時は無い。常に市場のことを考えている。実際自分の経験を振り返れば、現役でポジションを持って運用していた2008年まで21年間余り、平均睡眠時間の短さはナポレオンと競い合えた。ナポレオンは時々昼寝をしていたと聞くが、こちらは昼寝などしている間もなかった。
だが24時間365日、同じテンポで頭を使うというのは極めて難しい。どこかで頭を休ませて、リフレッシュして、緩めてこそ、次なるハイテンションの世界で高いパフォーマンスを発揮することが出来る。実は外国人投資家はそういうテンポで動いている。カレンダーに照らし合わせれば一目瞭然だ。外人上司に仕えた数年間で見たものは、OnとOffが極めてはっきりしている。いつ寝てんだろうか?と思う程にOnでは働く代わり、バケーションは長い。
日本はFY2019と呼ばれる年度決算型の一年間を過ごすが、世界的にはCY2019と書くカレンダー・イヤーで過ごすことが普通だ。つまり1月に始まり12月に決算はクローズする。欧米がクリスマス休暇を重要視するのは、キリスト教信者が多いからという側面もあるだろうが、それ以上に、彼らは年度末でOffになるということの方が意味は大きいだろう。
日本文化だと「最後の一人になるまで戦うぞ」みたいな精神論が強いが、彼らは1月から戦い始めて、早ければ10月末、多いのが11月末には収益を固め、ボーナス評価も終わってしまえばOffだ。そして12月は残務整理をして翌年に備える時期。マジョリティはギリギリ年末までは働かない。その代わり、1月2日から全力疾走が再び始まる。日本人がまだまだお屠蘇気分の真っただ中にいるにもかかわらずだ。
ならばこの時期にすべきことは、マザーズやJasdaqにハンティングに行くことではなく、今年一年を整理して、来たるCY2020の準備をすることだと私は思う。「鬼の居ぬ間のひと稼ぎ」と動くヘッジファンドの真似をする必要もない。
CY2019を振り返る
下の図は今年一年間の日経平均株価(青線)とNT倍率(赤線)推移を表したものだ。日経平均株価の年間騰落率は+21.86%と非常に強い結果となった。因みに、TOPIXは+17.81%である。この日経平均株価とTOPIXの大きな騰落率の違いは正にNT倍率の推移からも見て取れる。

NT倍率の年間平均は13.60倍、標準偏差0.19といったところだが、年末水準が約13.8前後に対して3月の終わりまでは約13.3倍前後を推移している。これが4月に13.60以上に跳ねあがって以降、その後8か月間は概ね同じような水準にあることが分かる。
NT倍率がほぼ一定の水準を保つ中で、株価は22,500円水準から20,500円割れ、そして24,000円へと推移している。日経平均株価に影響力の高い銘柄は値嵩株だが、NT倍率がほぼ一定しているという事は、全般にグロース(成長)株が賑わったということの証だ。バリュー(割安)株が賑わう時のように小理屈が効いたわけではない。このチャートからはそんなことが見て取れる。この流れはまだ来年も続きそうだ。
米国のイールドカーブは正常化した
2018年秋から昨年の市場が世界的に揺れ動いたのは、米国の長短金利が逆転したことで米国がリセッションの陥るという不安が市場を席巻したからだ。その結果として債券市場はFRBへの利下げを催促するような市場展開を続け、遂にFRBは利下げに舵を切った。結局FRBは3回の利下げをしてFFレートの誘導水準を0.75%引き下げた。
下のチャートは利下げが始まってからの毎週末時点のイールドカーブだ。青い点線は8月30日のイールドカーブだが、1度目の利下げを受けて「もっと、もっと」と市場ががっついて利下げを催促した頃だ。この頃、10年債金利は1.4%台まで下落している。

そして3回の利下げを経て、先週末12月27日のそれが赤い点線で示されたもの。1年金利がややディップしているが、概ね順イールド(期間が長いほど、金利が高くなる)でイールドカーブ自体は正常化したと見える。
つまり何を市場が主張しているかと言えば、FRBが利下げをしたことにより、リセッションに突入する危機は回避されたということである。1年金利のディップに理由をつけるべきか、単なる需給によるものと割り切るかだが、私は年末でもあり、単に需給(一旦リスクアセットを軽くした待機資金が債券を買ったなど)と割り切って見ている。
この年末のイールドカーブから言えることは、当面は金利動向が市場に動揺を与えることは無さそうだということ。勿論上下に変動はするだろう。だが、8月の頃までのようなイールドカーブ形成にはそう簡単には戻れない。
CY2020は明るい年になるだろうか?
米中問題、米朝問題、BREXIT、中東問題、日本の政局(荒れるとは思っていませんが)など、市場を動かす要因は少なくないが、大きな波乱要因となるには、市場に取って未知の問題は少ない。仮に北朝鮮がICBMを発射して、それを米国海軍が迎撃システムで撃ち落としても、それが何らかの民間施設などにダメージを与えたとかになれば大事になる可能性もあるが、仮にICBMを発射したぐらいならば「やっぱり撃ちましたね」という程度の反応だと思われる。市場は予期せぬ出来事の発生を一番嫌がる。
その意味では、韓国発の通貨危機が起きても、市場はそのリスクは先刻から既に横目で見ている。多少は短期的には驚くだろうが長続きはしないと思われる。寧ろ、単純にサムスン電子が生産している半導体の不足がどうなるか、誰が穴埋めをするか、誰が買収するかなどが議論の対象になるだろうと思われる。ただ韓国経済の疲弊した状況は、左傾化著しいメディアが伝える程マイルドな状況ではなさそうだ。
ただ前回も記したように、日米株式市場共にボラティリティの低下はこのままでは済まされないだろうなと予測するに充分なほど低下したままだ。何かしら、一旦はボラティリティを上昇させるSomethingがあるだろうと思っている。ただそこは絶好の買い場となる。但し、日本市場はオリンピック開幕前までが来年一番美味しいところとなるとみる。
注目の右肩上がりのビジネス・トレンドとトピックス
フィラデルフィア半導体指数
今年何度もご紹介したフィラデルフィア半導体指数のチャートも年末に確認しておきたい。ご覧頂けるように、年末の水準は2019年の最高値水準だ。5月と7月に大きなディップがあるが、結局は全てを取り返した。そして高値圏まで上昇している。今年だけで見るなら1,100ptsから1,800ptsまでの急騰になる。ただ実際は昨年夏の1,400pts程度からの上昇分が今年分だと考えるのが妥当だと思う。

フィラデルフィア半導体指数を構成する銘柄群の成長ドライバーは何かと言えば、それは間違いなく5Gであり、IoTであり、AIであり、自動車のCASEだ。このトレンドの右肩上がりの状況は以前よりも加速しているように感じる。
5GとIoT、そしてローカル5G
5GはHuaweiを米国が排除したことで足踏みすることが危惧されたが、これは予想通りQualcomなどがTake Overしてドラマは加速している。また従来はドコモやAUやソフトバンクなど、キャリアが提供する5Gを中心に市場も考えていたが、ローカル5Gについても報道頻度が上がってきている。
これに歩調を合わせるかのように、最近はAIに関連する話よりも、IoTの話が多くなり、そのIoTの中でエッジ・AIという考え方がやはり頻繁に紹介されるようになったと感じている。公衆5Gについては、日本国内に置いては基地局の設置と第4のキャリアと期待された楽天の出遅れが非常に気になるところだ。
自動車のCASE
残念ながら、自動車のCASEについて、Connected(繋がる)という話に関する部分はハードルが低い分だけ話題が豊富だが、自動運転に関しては法整備の面の遅れなどもあり、捗々しい進捗が見えている気はしない。そもそもLevel3でさえ普及には手間暇が掛かると思われていたが、AUDIなどが打ち上げた花火ほどには捗々しくはない。
そうした現実を象徴するような報道が先日あった。それはトヨタが1月6日に9インチの「ディスプレイオーディオ」(DA)を標準装備し、「コネクテッド機能」が強化したミニバンの「アルファード」と「ヴェルファイア」の一部改良を発表するという内容だった。早速詳細を調べてみたが、装備機能的に目新しいものは残念ながら無かった。殆どすべて、同じ機能が初代アルファード10系(2002年登場)で、高級オプションとして選択出来た機能だからだ。

実は私のクルマにはこれらの機能が先刻搭載されている。カーナビの目的地の設定も、例えば宇都宮辺りを走行中に「この辺りで、駐車場がある美味しい宇都宮餃子のお店を探して目的地に設定して」とオペレーターに連絡すれば、リクエストに適うお店を選定して、時に選択肢を教えてくれて、決めたお店をカーナビの目的地として設定してくれる。
信濃町の慶応病院の駐車場に車を止めて、当時中学生の息子を待たせて会計待ちをしている時、息子が不用意にスライドドアを開けてしまった為にセキュリティ・システムが作動、私の携帯(当時は普通)に「アルファード」とセンターからの電話とクルマからメールが送られてきたこともある。
まだ利用したことは無いが、エアバッグが作動すれば、オペレーターから連絡が来て安否確認をされる筈だ。すなわち、上のWebページにある機能は全て全く目新しいものではない。
とは言え、肝心なのはこれらの機能が「標準装備」となることだ。高価なオプション機能なのと、標準装備なのでは普及率への影響度合いが違う。やっとこれらが普及期に入り始めたということだろう。そういうモデルチェンジサイクルに入ってきたという事だ。これから数量が出荷されるようになる。
株主となってその企業と一緒に夢を見たいと思う会社10選

*上記表について:日本株、米国株からそれぞれ上限を5銘柄として絞り込み、ひと銘柄当たりの投資余力を10百万円として、株数を計算。売買手数料は証券会社によって違うので考慮していない。ビジネス・トレンドや各企業の状況により適宜入れ替える。ロスカット、益出しルール等の設定はしない。
個別の企業に関わるニュース・コメント

① 住友電工
「ダイヤモンド・ザイ2020年2月号」で住友電工が「配当利回りが高いだけでなく、業績拡大が期待できる注目株」として紹介された。Webで確認することが出来る。
(https://diamond.jp/articles/-/224081)
内容としては「住友電気工業は電線やワイヤーハーネスなどを手掛ける企業。2020年3月期の第2四半期決算で、通期の業績予想を下方修正したが、ここで当面の悪材料は出尽くしたと判断される。携帯基地局向けの電子デバイス「GaNデバイス」は5G通信方式では欠かせない製品。過半のシェアを握っており、5G投資が本格化する中、想定以上に拡大している。また上半期は不調だった自動車向けハーネスも、今後2年間での受注の急拡大が見込まれる。5G、EVと有力テーマに強く関わり、市場の注目度が高まる。PBRも0.8倍台と、割安感も強い。」ということだ。
Premium会員の皆様には目新しい内容では無いが、一般のマネー誌にもこうして評価される段階になってきたということでご紹介させて頂く。

[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-1/”]
② デンソー
SMBC日興証券が24日付で、デンソーの投資評価を最上位の「1」から真ん中の「2」に引き下げたと日経新聞が報じた。あわせて目標株価を5600円から5400円に見直したらしい。担当の木下寿英シニアアナリストは投資家向けリポートで
「自動車の電動化などを背景にした事業成長は続くとする一方、「株価には相応に織り込まれた」と指摘。熱マネジメント事業の収益率の改善も、楽観視は控えたい。」
としているらしい。原文は当然読んでいない。
こういうアナリストレポートの中でいつも気になる表現の仕方が「株価には相応に織り込まれた」というものだ。前週末の株価5,007円時点のバリュエーションは、予想PERが12.72倍、PBRが1.08倍でしかない。そして何より株価から「一株当たりの純資産」を差し引くと「5,007円-4,640.36円=366.64円」と、外部流出を考慮しなければ、今期の予想収益で足りる水準でしかない。
この事実と、予想PERが12.72倍、PBRが1.08倍というバリュー株の典型のような状況をして「織り込まれた」と断ずるのは笑止千万と言うのが私の見方だ。
因みに、2018年1月時点の株価は約7,000円、この時のPERは17.3倍前後、PBRは1.5倍前後だ。当時の方がCASEに対する夢が大きかった?自動車の電動化への期待値が高かった?そして何より、こうした自動車の変革の中でTier1サプライヤーの中でも一段と先駆しているのが同社だということだ。もし、2018年1月当時のマルチプルに引き直せば、たちまち株価は同水準まで戻してしまう。これこそが投資家の期待値の問題だ。
もし「株価に織り込まれた」ということは、市場はそんなに期待していないということになる。もし正しい日本語を使うとすれば、「自動車の電動化などを背景にした事業成長は続くと考えるが、自分の予想に反して市場の期待値はそれほど高まらないので、格付けとターゲットを引き下げる」とするのが正しい表現だと思われる。自己正当化のレポートなのかな?
[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-2/”]
③ ローム
ロームが19年振りにテレビCMを27日から再開した。下記のURLから入って下にスクロールして貰えば、YouTubeへアクセス出来る。
https://www.rohm.co.jp/ad
19年前と言えば正にITバブルの真っただ中だ。今、この会社が新たにテレビCMを再開するという事の意味は何だろうか?19年前のロームの状況を想い出してみると、このインプリケーションは大きいと思う。
[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-3/”]
④ 村田製作所
25日付のプレスリリースで「「3D触力覚技術」を手掛けるミライセンス社の買収について ~ハプティクスをさまざまな産業領域に応用~」また新たな買収が発表された。
「3D触力覚技術」とは何か?「ハプティクス」とは何か? ハプティクスとは利用者に力、振動、動きなどを与えることで皮膚感覚フィードバックを得るテクノロジーで、触覚技術(英: haptic technology)とも呼ばれるもののようだ。
これを基礎知識に村田製作所のプレスリリースの肝の部分を抜粋すると下記のようだ。
近年、広がりを見せるVR(仮想現実:Virtual Reality)や今後普及が期待される5Gにより、リアルなゲーム体験が求められるエンターテインメント領域、遠隔医療時に患者への触覚フィードバックが必要となる医療領域など、さまざまな分野で触覚体験のニーズが高まってきています。
ミライセンスは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所により世界で初めて確立された脳科学ベースのハプティクスである「錯触力覚」をベースとした「3D触力覚技術」の開発を進めています。
ミライセンスのハプティクス・ソリューション技術は従来の物理工学ベースとは異なり、任意の振動波形を用いて脳に錯覚を起こすことで、人にさまざまな質感や感触を知覚させます。例えば、VRゲームなどのデジタルコンテンツ上で表現される物の柔らかさや手触りなどを現実で触れているように感じさせることができます。こうした優れた製品特性を独自のプログラム・筐体設計により小型かつ低価格なハードウェアで実現しています。
村田製作所は本買収により、これまで各種センサ・アクチュエータで培ってきたデバイス設計技術とミライセンスが有するハプティクス・ソリューション技術とのシナジー効果により、独自性のある製品・サービスの提供を目指す。

[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-4/”]
⑤ ソフトバンク・グループ
ただこれだけのことだ。同社プレスリリースにある通りだ。何故か何をやってもメディアは批判的に取り上げる。ただ単に18年間勤めてきた社外取締役がひとり本業回帰の為に退任するという事だ。それ以上でも、それ以下でもない。

[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-5″]
⑥ Nvidia
前回お伝えした「NVIDIA DRIVE AGX Orin」は業界誌レベルの評判は良好だ。また12月18日から中国・蘇州で開催した「GPU Technology Conference(GTC China)」でGeForce RTX 2080 Max-Qの性能が次世代コンソールを上回ることを明らかにした。ただここで言う次世代コンソールがPS5あるいは次世代Xboxのどちらを想定したものであるかは明らかにされなかった。しかし、ノートPC上で相当なパワーを発揮しているのは確かで、やはり強いなぁと思わざるを得ない。
Jansen CEOの基調講演は下記のULRより視聴することが出来る。字幕は「中国語」。
https://youtu.be/uPOI4T2SwOo
今週も格付け状況に変化なし。

[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-6/”]
⑦ Western Digital

ついにHDDは20TBの容量の時代に入ろうとしている。大容量化のポイントとしてプレスリリースでは
「ゼタバイト規模でデータが増大する中、幅広いアプリケーションやワークロードでデータストレージの大容量化のニーズに信頼性を確保しながら対応できるのは大容量エンタープライズHDDのみです。業界をリードする ウエスタンデジタルのUltrastar 20TB SMRおよび18TB CMR HelioSeal HDDにより、顧客は従来の14TB CMR HDD1と比較してラック数を最大22パーセント、TCOを最大11パーセント削減でき、これに伴う電力消費、冷却コストなどのデータセンターインフラのニーズを低減させることが可能となります。」
と語っている。技術的なポイントとしては
「エネルギーアシスト磁気記録の革新的な活用により、これらのHDDで業界最高の面記録密度を実現しています。当社のHelioSeal、SMR方式、3段マイクロアクチュエーターおよび9ディスクプラットフォームに加え、エネルギーアシスト記録技術を適用して、ドライブ容量を大幅に向上させた統合ソリューションを提供する」
とある。更に調査会社IDCのHDDおよびストレージテクノロジー担当リサーチディレクターのエド・バーンズ氏は
「容量の最適化されたエンタープライズHDD市場の展望は引き続き非常に良好で、IDCの予測では、ハイパースケールのクラウドデータセンターやOEM顧客向けストレージシステムやサーバーのペタバイト出荷量は2023年までに年率28%で成長すると見込んでいます。ウエスタンデジタルの新しい20TBおよび18TBのHDDは、顧客が短期的には、より大容量のストレージや高いエネルギー効率を目指しつつ、将来的にはコスト効果と拡張性の高いインフラを構築していく中で、大容量に移行していく後押しとなるでしょう。」
と言っている。
今週はアナリスト格付けに変化は無い。

[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-7/”]
⑧ Xlinx
今週は特にコメントなし
今週はアナリストレーティングに変化なし。

[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-8/”]
⑨ Applied Materials
インテルが半導体学会「IEDM(IEEE International Electron Devices Meeting) 2019」で、新たな2.5D/3D積層技術「Omni Directional Interconnect (ODI)」と、3D積層技術「Foveros」の実装の詳細を発表した。そして今後の同社のチップ積層戦略の全体像と将来ビジョンも示した。複数のダイを統合する積層技術に、新たな技術要素を加えることで、最終的にモノリシック(単体)チップに近い性能のマルチダイ構成を実現しようとしている。
チップを複数のダイの統合で構成するチップレット化では、AMDがZen世代のCPUで先行したためAMDの独擅場のように見える。しかし、実際には水面下の技術開発で、もっとも先行しているのはIntelのようでもある。これ以上は話が専門的なりすぎるので割愛するが、こうした場面で誰が大きな役割を担うかと言えば、半導体製造装置メーカーだ。
インテルの本社とアプライドマテリアルズの本社は驚くほど近い場所にある。サンタクララのフリーウェイ101号線を挟んで右と左だ。インテルが必死に眠れる獅子から立ち上がる時、まだまだアプライドマテリアルズにはメリットがある筈だ。
今週もアナリスト格付けに変化は無い。

[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-9/”]
⑩ Check Point Software Technologies Ltd
NewWeek誌のある記事からの抜粋をご紹介する。
「今年7月18日、ダークウェブの奥深くにある掲示板に、「日本企業を攻撃してくれればカネを払う」というメッセージがアップされた。このメッセージの発信者を追跡すると「韓国陸軍の関係者」の可能性が非常に高いことがわかったという。このポストにはロシア系ハッカーが反応した。そして発信者に、「攻撃者相手のリストと、あなたの携帯番号、そして3.4ビットコインを支払え」とのメッセージが送られた。発信者は「電子メールアドレスを教えてくれ」とリプライし、その後からこのやりとりは途絶えたという。おそらく、両者が直接やりとりを行なっていると考えられる。」
事の真実は確認する術もないが、日韓関係の悪化がこうした問題を引き起こしているのは容易に想像出来る。来年は東京オリンピックが開催される。現実的な話、どこの企業や官公庁のサーバーが狙われても何ら不思議はない。
サイバーセキュリティ対策に投じられるお金は減ることは当分なさそうだ。
今週アナリストレーティングの変化は無い。

[blogcard url=”https://test.fundgarage.com/premium/mfc10-10/”]
