「関連銘柄探しの旅」では、私がMF10(My Favorite 10 Companies)に至るプロセスを会員の皆さんと共有します。
私が注目しているビジネストレンドの他の銘柄をチェックしたり、会員の皆さんが注目する他のビジネストレンドの銘柄を検討したりするときの参考にしていただければ幸いです。見ている情報はすべて誰でもがアクセスできる情報です。見方、探し方のコツなどを掴んでいただければと思います。
https://test.fundgarage.com/4977/
残念ながら、第2位の日立オートモティブシステムズは日立製作所(6501)の100%完全子会社である。かつてはユニシアジェックスや日産系のトキコと言った自動車部品メーカーとして存在したが、日立が2000年代はじめに完全子会社化し、日立製作所の自動車部品部門として活躍している。
上場企業でなく投資対象とならないからと言って調べる必要がないわけではない。何故なら、もしそこがNo.1としての実績を誇るならば、投資可能な先を代替先として求めるのではなく、そのトレンドや着眼点自体を諦めるべきだからだ。また非上場の会社からも、業界動向は学ぶことが出来る。
そこで見つけた面白いIR資料(日立の一部として使われていると思われる)が下記の図。

市場動向という説明の中で、「クルマ社会における課題解決のカギは「電動化」「自動運転」「コネクテッド」」という資料がある。着目しているビジネストレンドが間違いないことを追認してくれる。更に、同社が今後収益構造をどう持っていこうとしているかと考えているかが下記の図に示されている。

ポイントは、成長ドライバーが電動化・自動運転であるという。着眼点に間違いなし。ただこれを材料に決して日立製作所(6501)を買いに行けるものではない。何故なら「今、日立を買うと、もれなく重電や白物家電がついてくる」ということだからだ。
日本の総合電機株が取り扱いにくいのはこれが理由。良い成長部門を持っていたとしても、足を引く部門がある場合が多い。典型例は東芝(6502)であろう。フラッシュメモリー事業という虎の子を持ちながら、原子力発電部門で倒産寸前まで追い込まれたのだから。
話を元に戻して、住友電装にインスパイヤされた住友電工(5802)を確認する。そのWebページ・トップが下記の図。

トップページ自体は地味なのだが、製品情報を開いてみると、何やら欲しいキーワードに関する答えがずらりと並んでいる。つまり、自動車部品のみならず、光ファイバーなどの情報通信、関連する半導体やデバイスである。
自動車のワイヤーハーネスでは、実は住友電工が2016年に世界シェアNo,1を矢崎総業から奪取したということも関連記事を探して分かった。(検索「自動車部品 ワイヤーハーネス 世界シェア」)
まずは自動車部門でワイヤーハーネスというページに飛んでつらつらとスクロールダウンしていくと、ワイヤーハーネスなどについて「さらに詳しく!」との表示で住友電装へのリンクがある。ここへ飛んでみると「正にこれだよね」という内容だ。
自動車用ワイヤーハーネスと聞いて、ピンとくる人はそうは居ない筈。私のような自動車マニアなら、この写真を見ずとも、それが何かは直ぐにピンとくるのだが、念のため、その写真は下記である。

多くの場合、これがエンジンルーム内からテールランプのあるところまで社内の絨毯の下などに敷き込まれている。
住友電装の説明を引用すると「自動車の機能増加に伴い、搭載される電子機器は増加しています。それらの機器をつなぎ、電力や信号を車内のすみずみまで伝える役割となる製品が「ワイヤーハーネス」です。人間に例えると、血管や神経に相当する重要な部品です。」ということになる。人体標本などで見る血管や神経と非常に似て見える通り、電気を流し、信号を送り、車内のネットワークを繋げている。
実はこれが非常に重いもので、車体重量の20%~30%に相当する。血管や神経なので、当然切断されたら大事になるが、より軽量化しないとならないニーズがある。また自動運転装置は多くのセンサーに繋がり、その信号を車両の頭脳部分に瞬時に届けなくては意味をなさないので、今後より付加価値が高まることはあっても下がることは無い。次の写真と一緒に見てもらうとより実感が湧いてもらえると思う。

元々は電線と電気工事という会社であり、だからこそ通信分野でもその存在感を発揮するのだが、5Gになって突然脚光を浴びるというよりは、ネットワークのブロードバンド化を支える光ファイバーという視点でも既に有名な役者ではあったのだが、5G化、或いはデータセンターの高速通信化という点においても活躍するフィールドは多い。
寧ろ今後は車内ネットワークの高速化という課題があるので、通信分野で培ったノウハウが活かされるという期待はおおいに膨らむ。
④に続く(近日公開予定)
