「関連銘柄探しの旅」では、私がMF10(My Favorite 10 Companies)に至るプロセスを会員の皆さんと共有します。
私が注目しているビジネストレンドの他の銘柄をチェックしたり、会員の皆さんが注目する他のビジネストレンドの銘柄を検討したりするときの参考にしていただければ幸いです。見ている情報はすべて誰でもがアクセスできる情報です。見方、探し方のコツなどを掴んでいただければと思います。
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まずはデンソー(6902)のWeb(https://www.denso.com/jp/ja/)だが、ドンピシャリ、暫く私は同社のWebサイトを回遊する羽目になった。兎に角見ていて面白い。特にイノベーションというところは最高に見ていて飽きない(https://www.denso.com/jp/ja/innovation/)。
実は同社のこの一連のページと動画を見て貰えば、今実際に自動車業界で起きていることを正確に理解することが出来る。何故なら、メディアの取材記事ではなく、大きな流れの中のど真ん中にいる企業であり、Tier1部品メーカーの世界No.1企業の自社サイトである以上、嘘や事実誤認が無いからである。株式投資の為のリサーチをする上で重要なことのひとつは、正しい情報を取捨選択することであり、その意味でもこうした企業のWebサイトを訪ねることは理に適っていると言える。
例えば、具体的にイノベーションというタブを見て貰うと、下のような画面がプルダウンされる。

ここに殆ど必要なキーワードが並んでいる。電動化、自動運転、AI、MaaS、量子コンピューティング、Factory IoTである。
更に個別に、例えば自動運転の項にある「5つのキーファンクション」という中から「先を読む」というところを選んで貰えば、正にそこに「路車間通信」や「車車間通信」のことである「V2X」の話がある。「V2X」とは、「Vehicle to Infrastructure」であったり「Vehicle to Vehicle」であったり、要するに車と何かを繋げることの意味(Xは数学の方程式でも使うXのこと)で、これが見えないところの先読みを可能にする重要な技術であることの裏を取ることが出来る。これはすなわち自動車業界が既に取り組んでいるという証でもある。

そして、車がV2Xで多くのものと繋がることは、同時に車がハッキングなどのリスクに晒されることにもなる。驚かれるかも知れないが、現代の車の中にも既に「車内ネットワーク」はある。だが、それは現状、外界からは全く遮断されている。何故ならそもそも通信機能が無いからだ。(トヨタのコンシェルジュ・サービスなどは、単に電話機能がハンズフリーである段階と、カーナビがセンターと繋がって地図データのアップデートするところ止まりなので意味が異なる)。
ただ自動運転化が進む過程で上述のようなV2Xも進めば、車の中の制御システムのECU、具体的にはステアリング操作やブレーキ操作などを司る演算装置に繋がっているネットワークがハッキングされるリスクに晒されることになる。だからこそ車のセキュリティーという概念が、現在の「コンシェルジュ・サービス」のような次元とは異なるレベルで重要になって来る。そうしたことが非常に分り易く、またカッコ良く(個人的にはこれは重要な要素)説明されている。

だから見ていて飽きないし、技術の方向性を掴むことが出来、何を調べて行けばいいのかが見えて来る。
アイシン精機(7259)のWebにも行ってみる。ここも面白い。特にテクノロジーというタブから入る自動運転のページで観れる動画は、具体的に何が必要かをイメージし易く教えてくれる。
(http://www.aisin.co.jp/technology/innovation/automatic_driving/)
ひとつの注目点と思ったのが下の図だ。きっとこれらの部品群に電子部品を納入するサプライヤーがいる筈だ。

これは何かと言えば、車の基本動作である、「走る、曲がる、止まる」という部分の部品群である。ステアリング、サスペンション、そしてブレーキといった機能を制御するもの。
ただESC(Electric Skid Control:横滑り防止装置)自体は目新しくはない。この目新しくないものが進化している/進化していくことが自動車では大切なこと。つまり、徐々に時間を掛けてその信頼性を確認し、高めていくということだ。新商品を発表後、OSのバグが見つかり、即座に対策品にアップデートをお願い出来るパソコンやスマホとは、この辺りの時間軸が全く異なる。
同様なことを各社回ってみる。どこも面白いのだが、残念ながら矢崎総業は非上場企業なので仮に惚れ込んでも投資対象とはならない。
実はネット上を調べ回っている内に、面白いデータを見つけた。それが「自動車部品の特許資産規模ランキング」というデータだ。それが下記の図。

デンソーがダントツトップであることに喜び、第3位が非上場の矢崎総業であることに嘆いていると、第5位に住友電装の名前がある。同社は住友電気工業(5802)の子会社であるので、早速住友電工のWebを見に行く。
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